そこで私は、なんとか冷静に保っていた、こらえていた感情が爆発するのを感じた。
彼女達は私に謝っているんじゃない、自分たちの良心に謝っているのだ。
そのくらいなら、はじめから言わなければよかったのに。
どれだけ自分のことが可愛いんだ。
どれだけ自分ばかりを守りたいんだ。
私がこんな思いをすることは分かっていたはずなのに。
それでも言ったのなら、徹底して平気な顔をしてくれなきゃ、そうじゃなきゃ。……
ばかやろう。
ばかやろう。
「じゃあ、私、帰るから……」
ばかやろう。
ばかやろう。
彼女たちに背を向け、重いカバンを背負った。
ばかやろう。
ばかやろう。
お腹に力を入れたせいで股からどろっとしたものが出てきた感触がした。
ばかやろう。
ばかやろう。
私も話があると言ったのに、彼女たちは私を引き止めない。
ばかやろう。
ばかやろう。
眼球が煮えてしまうほど目頭が熱くなる。
ばかやろう。
ばかやろう。
期待した私が一番、ばかやろう。


