静かな病室に、カタカタと窓の鳴く音が響く。 北風が吹いているのだろう。 外はまだ凍えるように寒い。 でも、この寒さがやわらいで、春が優しく微笑むころ。 芽吹く緑と一緒に、私はきっとこの病室を出られる。 きっと、きっと。 点滴に繋がれた手でピンク色の封筒を握りしめ、私はちいさく笑った。 end