『由紀子ちゃんへ
こんにちわ。お手紙を書くのは初めてですね。
初めてのお手紙をこんな悲しい気持ちで書いてることが残念です。
もっと前に由紀子ちゃんにお手紙を書いておけばよかったです。
せっかくなのに何から書けばいいのかわかりません。
私は由紀子ちゃんにとてもひどいことをしてしまいました。
最初はこのことを謝った方がいいと思うのでそうします。
急にカナエちゃん達のところに行ってしまってごめんなさい。
おそろいのクマちゃんにひどいことをしてしまってごめんなさい。
それから由紀子ちゃんが私を追いかけて来てくれたのに逃げてしまってごめんなさい。
謝らなきゃいけないことは、もっともっといっぱいあります。
私はバカです。
だからずっとお友だちをつくるのがヘタでした。
私はみんなと一緒にいると楽しいのに、みんなは私と一緒だと楽しくないみたいなのです。
一生懸命いろんな子に声をかけたけど、みんなみたいに仲良しグループはできませんでした。
ずっとそうでした。
そんなのは私だけだと思ってました。
でも中学生になって由紀子ちゃんに会いました。
由紀子ちゃんは頭が良くて難しいことも知っててグループにも入っててお友だちもいてすごいなと思いました。
それなのに由紀子ちゃんはいつも寂しそうでした。
私は由紀子ちゃんのことが気になってました。
だからよく観察していたら、だんだん由紀子ちゃんのグループのみんなが由紀子ちゃんをひとりぼっちにするようになりました。
ひどいと思いました。
お友だちをひとりぼっちにするなんて許せませんでした。
由紀子ちゃんを見ていたら、由紀子ちゃんは頭が良くてすごいのに私とちょっと似てるような気がしてきました。
私はいろんな子と一緒にいたけどひとりぼっちのような気がしていました。
でも由紀子ちゃんとならお友だちになれそうだと思ったのです。
だから親友になることにしました。
そしたら由紀子ちゃんも喜んでくれると思ったのです。


