さっそく箱を開けて説明書を読みながらブリーチを始めた。
なんだ、いろいろ準備するものが多くて面倒だ。
最終的には洗髪しなければならないらしいので、風呂場に移動した。
体にビニールをかぶって、手袋をはめて、ぎこちなく薬剤を髪につけた。
すごい臭いだ。
鼻が曲がりそうで、目にしみて涙も出てきた。
これはひどい、『ギャル』になるにはこんな苦行が必要だったなんて。
しかし、こんなことで負けていられるものか。
私は髪の毛全体に、これでもかと薬剤をしっかり塗りこんだ。
すると、次第に頭皮がひりひりしてきた。
針のむしろにされているような感じだ。
痛い、痛い、と私は泣きながら、それでも指定されている放置時間が終わるまで耐えた。
やっと薬剤を洗い流し、添付されていたトリートメントをして、はやる気持ちを抑えつつ鏡をのぞきこんで、私は感動した。
アリィほどではないが、確実に髪の色が抜けている。
ところどころ色が抜け切れていないところがあるが、うまくヘアアレンジすればごまかせるだろう。
雑誌にあったいろんなヘアスタイルを真似してみよう。
髪の毛は、これで完璧だ。
まだ濡れているが、ドライヤーで乾かしている暇はない。
やらなければならないことは山積みなのだ。


