アリィも自分のバッグにクマをくくりつけて、これ見よがしに揺らしている。


「おそろいだね!親友の証!」


どこまでも嬉しそうだ。




親友の、証。




私は自分のバッグについたクマと、アリィのバッグについたクマを何度も見比べてみる。


やっぱり可愛くない。


可愛くなんて、ない。





そろそろ昼時なので、食事をすることになった。


エスカレーターでフードコートへ向かう。


「アリィね、ケーキバイキングに行きたい」


「そんなんじゃ、ご飯にならないでしょ」


「でもご飯食べたらケーキいっぱい食べらんないもん」


「ケーキはお腹いっぱい食べるもんじゃないの」


やいのやいの言い合っていたら、なにやらにぎわう階に差しかかった。


ひしめきあうおばさん達。


北海道の物産展が催されているらしい。


「わぁ、楽しそう。ちょっと見て行こうよ」


誘っているのではない、これはもう決定事項であり命令だ。


だから言い終わる前にアリィは、おばさんの群れへと駆け出していた。


「ちょっと待ってよ!」


私はアリィの背中を追った。