「目が見えない私を、
怒らすつもり?」


「いいえ。
あまりにも花が綺麗だったので、
目が見えないマリー様だから、
匂いなら分かると思い・・」


バンの少し寂しげな声に、
私の胸が苦しめる。


「ごめんね・・。」


「いいえ。
私こそすみません。」


バンはキリさんの所から、
帰ってきて何だか、
たくましくなった気がする。


「マリー様が見えなくっても、
私が教えますから。」


「ありがとう。
匂いを嗅ぐと大体のものは
分かるから大丈夫よ。」


バンは多分笑顔で、
私に微笑んでくれていると、
私は感じている。