口を開きかけた彼をよそに背を向け歩き出した。 振り向くまいと必死だった・・・ 「・・・・」 うしろの涙をこらえる声なんて聞こえない・・・フリをした・・・ いや、気付かなかった。 私も泣いていたから・・・ 昨日まで笑い合っていた恋人たちは、 今日には、ただの男と女になっていた。 小学6年の秋のことだった・・・。