花の咲く頃に




「それなら大丈夫。休学にしておいたから」

「え……?」

「高校、行きなさい」



いつの間に……。


私の引っ越しにも顔を出さないお父さんは、私が高校に行っていない事すら知らないと思っていた。


本当に捨てられたと思っていた。



だけど違ったんだ。


お父さんはずっと私のお父さんだった。



「ありがとう。お父さん……」


さっき渇れる程泣いたのに、涙は再び溢れ出す。