「でも美桜と会ってからの彼はちょくちょく笑顔を見せるようになった。 それは美桜の父という立場からは複雑だったが、正直彼の笑顔を見るのは嬉しかった」 「ありがとう」 伝えてくれて。 お父さんがここの研究員で良かった。 「お父さん。私高校行く」 「…あぁ。そうだな」 「休みすぎでもう私の席はないかな」 彼と約束したから。 高校に行くって。 でも、私が戻る場所はあるのだろうか。 それが心配だった。