「私の美桜って名前はそこから来ているの」 「え、ミオ?」 「美しい桜って書いて“美桜”」 「美しい桜か。見てみたいな……」 そこで彼の病気を思い出す。 彼はさくらも見た事がないのか。 春になれば日本中どこでも見る事の出来るさくらを。 「きっといつか見れる」 そんなありきたりな言葉しか、出てこなかった。 「だといいんだけどね……」