「霧野?」
不意に背後から届けられる声。
思考の世界に入り込んでいた霧野は僅かにだがハッとしたように眉をしかめると、静かに声の主を探した。
振り返った霧野は目線の先、開け放たれた格納庫の扉から暗い格納庫内を照らす月明かりの中に人影を見つけた。
「佐良…か。」
格納庫入り口から霧野の方に歩いてくる佐良の歩調に合わせてコツコツと響く靴音。
その音は確りと格納庫内に響き渡り、霧野は何故自分が今まで靴音に気付かなかったのか自嘲気味にため息を吐いた。
「どうした佐良?
こんな時間に格納庫に来るなんて何か用事でも?」
靴音が響き渡る。
「ちょっと月が綺麗だったから散歩を…。
ここの前を通りかかったら人影が見えたから、一応…不審者だったら困るし…さ。」
「そう。」
「霧野はどうしてここに?」
佐良は霧野の横に立つと入口の方を向く霧野とは逆、爪狐を見上げた。
不意に背後から届けられる声。
思考の世界に入り込んでいた霧野は僅かにだがハッとしたように眉をしかめると、静かに声の主を探した。
振り返った霧野は目線の先、開け放たれた格納庫の扉から暗い格納庫内を照らす月明かりの中に人影を見つけた。
「佐良…か。」
格納庫入り口から霧野の方に歩いてくる佐良の歩調に合わせてコツコツと響く靴音。
その音は確りと格納庫内に響き渡り、霧野は何故自分が今まで靴音に気付かなかったのか自嘲気味にため息を吐いた。
「どうした佐良?
こんな時間に格納庫に来るなんて何か用事でも?」
靴音が響き渡る。
「ちょっと月が綺麗だったから散歩を…。
ここの前を通りかかったら人影が見えたから、一応…不審者だったら困るし…さ。」
「そう。」
「霧野はどうしてここに?」
佐良は霧野の横に立つと入口の方を向く霧野とは逆、爪狐を見上げた。

