PRAY MACENARY

霧野の口から翌日の強行偵察の作戦が伝えられ約一時間。

夜の帳が降り始めた寮舎のリビング、光々と室内を照らす蛍光灯はいつもと変わらぬ様子の部屋と、ほんのり緊張感を漂わせるパイロット達をうつしだす。

リビングでのパイロットの過ごし方はそれぞれ思い思いである。

白井は窓辺のソファでコーヒーを片手に本の世界に入り、弥羽はぼんやりとテレビを眺め、佐良はテレビの音を聞きながら食事をしている。

いつもならば会話の一つや二つ程度はあるのだが、今日いたって静かだ。

空気が張りつめているわけではない。

ただ、誰もがどこか口を開くことが躊躇われた。


今日までとは明日からは違う。

今日までもここは戦場である。そして明日からもそれは変わらない。

しかし今日までは精々、数日に一度、偵察が来る程度…。

だが…明日からは違う。

明日、バラックは偵察という名目ではあるが敵機の撃破も一つの目的として敵陣地に入る。