ぽつり、ぽつりと呟かれる言葉は一言、一言に言霊をのせるかのように確りと紡ぎ出され、仄暗い空間に染み渡っていく。

決して広くはない室内。

ベッドとクローゼットと机、室内に備え付けられた家具はその程度、殺風景といえば殺風景である。

少女は静かに言葉を紡ぎながら机の上に置かれた像に手を合わせていた。

机の上に置かれた像は、手を組み祈るよう天を見つめた女性を象っている。

コンコン、と意識の外からドアがノックされる音が届けられ、少女はドアに顔を向けた。

「どうぞ~。」

弥羽のあっけらかんとした間の延びた声が室内に響き、それと呼応するようにドアが開かれた。

ドアを開き室内に足を踏み入れた男に向かい口を開く。

「サラ~。

どうしたの?」

扉を開けた佐良は静かに室内に一歩、足を踏み入れると

「今日、初出撃だったから…。

どうしてるかな?と思ってさ。」

そう言いながら手にしていた缶コーヒーを放った。