PRAY MACENARY

敵を信用し、敬意を払う。

容易にできることはでないだろう。

「まぁ、此方とて非常識的な発言であるというのは理解している。

が…。漆黒の妖狐殿、返答は如何に?」

シバはただ真剣な眼差しで霧野を見据えた。

しばし拡がる沈黙と緊張感。

それは戦場にあるものと変わらない。

銃口を向け合っているような錯覚さえ感じられる。

「そちらの申し出、大変傷み入る。」

沈黙を破り霧野はそう口を開いた。

「しかしながら…私個人では判断しかねる。」

霧野の言葉にシバは一旦、目を閉じると僅かに頷いた。

「承知した。

明日の夜まで返答をお待ちしよう。

前向きな返事を期待している。」



そうシバが言った時だった。

シバともう一人の男の機体から警戒を知らせるブザーが響いた。

続いて外部スピーカーから流れるのはしっかりとした男の声。
「緊急。

面会地点に向け、基地所属のAM5機が急速接近。

繰り返す…」

瞬間にその場にいる全員の顔に先程までより強い緊張が走る。
が、それは一瞬のこと。

次の瞬間はそれぞれが各々の機体に向け走り出していた。