「佐良そろそろ、見えてくる。
万が一のこともある、警戒は解くな。まず無いとは思うが。」
爪狐を操りながら霧野はレーダーに二機のAMが映るのを確認する。
二機のAMの反応はL-504、指定の通りの位置だ。
「このタイミングでの面会、目的はなんだと?」
佐良の言葉。
このタイミングとは、いつにでも向こうが進行してきても不思議ではない現状を指す。
向こうがAM数において圧倒的に有利な状況で停戦協定も不可侵協定もないだろう。
そもそも、そんなものは国同士の会談で決めるもの、末端の傭兵会社にする話ではない。
だとすれば何の用件が?
予測できない事態に佐良は頭を悩ませていた。
「行けばわかる。」
霧野はそうとだけ答え、モニターの端に映り始めた敵機を見据えた。
モニター映るのは二機のAM。
一機はガンナー、佐良は何度となく見て来た機体。
もう一機は純白のカラーリングにスラリと長い手足、各部に流線型のパーツを纏い、装飾こそ無いがそのスリムな立ち姿は戦闘とは無縁なもののように見える。
「あれは?」
佐良はバラックに入ってからも入る前もその機体を見たことはない。

