出撃から夜が明け、太陽が天頂に輝く頃。
バラックの屋舎内にけたたましい警報が鳴り響く。
それは敵機の接近を知らせるもの。霧野はすぐさま管制塔まで駆けつけていた。
「状況は?」
室内に入るなり問を放つ霧野にモニターを凝視したままオペレーターの西嶋は応える。
「機影は三。一機が先行し、二機がその後方から接近中。
巡航速度から見て先行する一機は戦闘機、残り二機はAMかと思われます。ただ…。」
最後に言葉を濁す西嶋。
「どうした?」
「戦闘機、AMそれぞれに接近速度が遅いように思います。
偵察とも進軍とも判断がつきません。」
その時、通信が入ったことを知らせるランプが発光した。
「こちらはIMT連邦軍 38番基地守備隊所属 ルース少尉。
こちらに交戦の意志無し。司令官との面会を申し入れる。
バラック管制塔に応答願う。
繰り返す。
こちらに交戦の意志無し。司令官との面会を申し入れる。」
通信内容に戸惑う西嶋に、霧野は自ら通信機を取り応答した。
「こちらバラック管制、指揮官の霧野。
ルース少尉、交戦の意志なければその場にて停止願う。」
戦闘機の現在地はバラックとの境界線スレスレである。

