私の目からは、涙があふれていた。 「ごめんね・・・辛いこと思い出させて」 「初めからひどい先輩で・・・」 2人の先輩が謝ってくる。 「いえ・・・母が・・・話してくれたんです」 「何を?」 有子先輩に聞かれる。 「桜小学校の6年生の女の子2人が救急車を呼んでくれたけん私の命は無事やったんやって・・・翔太だけやったら死んどったかもしれんかった。これからの人生で、もしもその2人に会うことができたら、ちゃんとお礼を言いなさいって・・・」