気が付いたら中川さんと川俣さんは側にいなかった。 とぼとぼ歩いて音楽室に戻り、荷物を持って昇降口に向かった。 「靴が・・・無い・・・」 でも、私の靴箱は空っぽで・・・力が抜けた私は泣き出してしまった。 「もぉやだぁ・・・」 その時だった。 「桜?おい・・・大丈夫か?」 空の声がした。 後ろには陸の姿もあって・・・。 無理だよ。 私が離れようとしても2人がこうやって優しくするんだから。