もちろん、たくさんの人ごみが苦手だっていう理由も少しあるけど…。 「地区のお祭りって、誰かと行くのか?」 ちょっと声が曇ったような気がしたけど、私の気のせいだよね…きっと。 「いえいえ、一人で行きます…。神社に行けば誰かどうか知ってる人もいますので…。」 おそらく雅お兄ちゃんも来るだろうからなぁ…。 「そうなんだ…。俺も行こうかな、そのお祭り。」 ボソッと呟いた空守君の言葉に、私は思わずソファーから立ち上がってしまった。