「…大丈夫。それより包海…ずっと傍に居てくれたのか…?」


ベッドを囲む白いカーテンの隙間からキラッとオレンジ色の夕日が差し込んでいる。


どれくらい寝たのかは分からねぇけど、それほど短い時間ってわけでもなさそうだ。


「あの…、ごめんなさい。朝比奈先生を呼びに行こうとしたんですけど、空守君に…その……」


由優がチラチラと視線を送っている先をふと見てみる。


あ……
俺が由優の手首を掴んでたんだ…。


無意識だったな…。


強く掴んでいたせいか、手を離すと由優の手首が少し赤くなっていた。