うるさいくらいに心臓の音が体中に響く。 自分から話し掛けちゃった…。 空守君、困ってるみたいだし、放っておけないもんね…。 自然とその思いが、言葉を心の奥から押し上げた気がした。 「気持ちは嬉しいけど、俺が借りたら包海が雨に濡れちゃうだろ?俺は走って帰れば平気だから。ありがとな。」 空守君は、ニコッと笑みを浮かべた。