「まあ、決定的だったのは理緒の言葉なんだけどね。」 「こ……言葉?」 口を覆っていた手を離した私は、何のことだか分からず首を少し傾げた。 「“アイツは…渡さねぇから。”って言われたんだ。前に俺が理緒に由優ちゃんの話をした時に。その時は驚きのあまり、わざと聞こえないフリして誤魔化しちゃったんだけどね…。」 髪の毛をクシャッとさせながら、前澤君は苦笑いを浮かべた。 理緒…そんなこと言ったんだ……。 顔ばかりじゃなく、体の温度がどんどん上昇する。 湯気が出てきそう…。