入学式なんて、どうでもいいから…… アイツだけ見ていたい。 そんな気持ちになった。 「あ!あの子…東中の包海だよな!?なんか性格おとなしいけど、可愛い女の子だって、噂になってたもんな。」 は…? 俺は思わず、隣で嬉しそうに話す瞬太に視線を向けた。 「お前、知ってんの?」 さり気なく、素っ気なく聞くと、“当たり前じゃん”と言わんばかりの表情でコクコクと頷かれた。