私はその光景に、泣くのも忘れて見入っていた。 まさか手当てしてくれるなんて、思ってもみなかったから…。 絆創膏を貼り終えた理緒は、私の顔を見ると頬につたった涙の跡を指でサッと拭ってくれた。 “もうだいじょうぶ。すぐに治るよ、きっと。” そう言って満面の笑みを浮かべてくれた理緒に、私の心はドキンと高鳴ったんだ…。 この時… 私は優しい彼に恋に落ちたんだよね…。