「空守…君…?」 抱きしめたままピクリとも動かない俺に由優が心配そうに声をかける。 …ちゃんと言っておかなきゃな…。 10才の頃のこと…。 「なあ、由優…、このままで聞いてもらいたいことがあるんだけど…いいかな?」 「う…うん…。」 少し戸惑い気味の声を出しながら頷く由優。 そんな彼女の耳元で俺は、あの頃の自分の気持ちを正直に話した。