「あ…、アンタ…空守って言ったっけ…?」


保健室を出ようと扉を開けた生徒会長が俺の方に振り向いた。


「絶対に由優を…悲しませるなよ。彼氏になったんなら、ちゃんと笑顔で居られるように守ってやれ。」


キッと鋭い視線を向けると、廊下へと出て行った。


そんなこと、生徒会長に言われなくたって分かってる…。


由優の悲しい表情や涙なんか、もう見たくない。



苦い思い出は、あの時のことだけで十分だ。