「そ…そういえばサッカーの試合の結果…」


ふと思い出したのか、由優が呟く。


そうだ…。
まだ何にも報告してなかったんだっけ…。



「試合…負けたんだ…。1点差だったんだけどな…。」


「そうなんだ…。惜しかったね……。」


「ああ…。でも、悔しい気持ちなんて消えちまったよ。こうして、由優を手に入れることが出来たから。」


艶やかな黒髪にキスを落として、しばらく抱きしめていた。



──…ずっと好きだった。


10才の頃に由優が告白してくれた日よりも前からずっと…。


由優は、その時のことを覚えてないかもしれねぇけど…


俺には、とっておきの時間だったんだ…。