俺の腕の中にいる由優は、黙ったままでいる。 静かな保健室の空気が、やけに心臓に悪い気がした。 俺の鼓動が由優に聞こえてしまっているように思えて、緊張が更に増していく。 由優… 今、何を想ってるんだろう…? 窓から差し込む夕日でキラキラ輝いている黒髪を見つめていると、由優がゆっくりと顔を上げた。 「あの……私なんかで、本当にいいの?」 目に涙を溜めて、潤んだ瞳が俺を映す。