ドキン…と波打つ鼓動で体がビクッと揺れる。 空守君に手…握られちゃった…。 前に保健室で一度握られたことあったけど、あの時の熱で火照っていた手とは違って、優しい温かさだ…。 あまりにドキドキし過ぎて、手が微かに震えてしまう。 それが空守君にも伝わっているのか、少し強く…しっかりと握りしめてきた。 「歩くスピード、速かったら遠慮なく言えよ?」 「…はい。わ…分かりました……。」 ぎこちなく答えると、空守君は私を連れて神社の鳥居をくぐった。