「何に感謝してるのか知らないが、ありがたくもらっておく」
充分、それだけで嬉しかった。
以前の私ならこんなこと出来なかったし、もし渡したとしてもこんな風に言われたらきっとびくびくしていたと思う。
だけど彼のことを少しでも知った今なら、素直に喜べる。
「六佳には渡したのか?」
良かったと思っていると急に有君がそんなことを言いだした。
いきなり出された名前に、胸がとくんと高鳴る。
「えっ……ううん、まだ……というかさっきも姿見てないし」
慌てて言うと何故か有君が笑った。
笑い声こそあまり聞こえなかったけれど、私の方を見て確かに笑っている。
「おそらく屋上だろう。せっかく希望通りの班に入れてやったのに参加しないのは頂けないな。弥八子からも言っておいてくれ」
そしてそれだけ言って再びキャンバスに向き直った。
まるで「早く行け」と言わんばかりに。
動き始めた絵筆を見て、長居して邪魔になっても申し訳ないと「うん」とだけ一応答えて美術室を後にした。
ドアから出る直前「ありがとう。あと頑張れよ」という声が聞こえてきて、心にすとんと落ちてきた。
充分、それだけで嬉しかった。
以前の私ならこんなこと出来なかったし、もし渡したとしてもこんな風に言われたらきっとびくびくしていたと思う。
だけど彼のことを少しでも知った今なら、素直に喜べる。
「六佳には渡したのか?」
良かったと思っていると急に有君がそんなことを言いだした。
いきなり出された名前に、胸がとくんと高鳴る。
「えっ……ううん、まだ……というかさっきも姿見てないし」
慌てて言うと何故か有君が笑った。
笑い声こそあまり聞こえなかったけれど、私の方を見て確かに笑っている。
「おそらく屋上だろう。せっかく希望通りの班に入れてやったのに参加しないのは頂けないな。弥八子からも言っておいてくれ」
そしてそれだけ言って再びキャンバスに向き直った。
まるで「早く行け」と言わんばかりに。
動き始めた絵筆を見て、長居して邪魔になっても申し訳ないと「うん」とだけ一応答えて美術室を後にした。
ドアから出る直前「ありがとう。あと頑張れよ」という声が聞こえてきて、心にすとんと落ちてきた。



