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廊下の窓からそっと美術室を窺うと、中にいるのはまだ有君だけだった。
無作為に置かれたように見えるたくさんのイーゼルの間で、揺れ動く腕が見える。
入っても大丈夫かな、ちょっとだけどきどきしながらドアをノックした。
ドアの窓は擦りガラスだから中は見えないけれど有君の声が聞こえた気がする。
そっとドアを引くと、彼の視線がこちらを向いていた。
「なんだ、弥八子か」
絵筆を持ったまま言う彼に「いきなりごめんね」と言うと「構わない」とだけ返ってきた。
イーゼルと椅子をすり抜け、彼の近くまで歩み寄る。
徐々に近づいてくるキャンバスには青色が広がっていた。
「……きれいないろ」
思わず零れた声に有君が唇だけで笑った。
大きなキャンバスに置かれているのは青色だけではない。
時折白が混じり、水色に変わり、紺が入る。
そして下の方に描かれた、柔らかそうな円形のもの。
その上部に羽根が一枚乗っている。
廊下の窓からそっと美術室を窺うと、中にいるのはまだ有君だけだった。
無作為に置かれたように見えるたくさんのイーゼルの間で、揺れ動く腕が見える。
入っても大丈夫かな、ちょっとだけどきどきしながらドアをノックした。
ドアの窓は擦りガラスだから中は見えないけれど有君の声が聞こえた気がする。
そっとドアを引くと、彼の視線がこちらを向いていた。
「なんだ、弥八子か」
絵筆を持ったまま言う彼に「いきなりごめんね」と言うと「構わない」とだけ返ってきた。
イーゼルと椅子をすり抜け、彼の近くまで歩み寄る。
徐々に近づいてくるキャンバスには青色が広がっていた。
「……きれいないろ」
思わず零れた声に有君が唇だけで笑った。
大きなキャンバスに置かれているのは青色だけではない。
時折白が混じり、水色に変わり、紺が入る。
そして下の方に描かれた、柔らかそうな円形のもの。
その上部に羽根が一枚乗っている。



