16歳、前進

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戻った校舎はまだまだ賑やかだった。
 
文化祭は当日だけじゃなくて、その準備も楽しいんだろうなと思うような雰囲気。
 
舞台発表の準備やちょっと変わった企画の計画、当日誰とどう回ろうかなんて、きっと色んなことでみんな頭がいっぱいになるんだろう。

 

ふと階段を見上げてしまう。
 

バックの中身は空っぽだった。

家に帰ってももうチョコレートカップケーキはない。


今朝廊下に出されていたお盆には、ラッピングした包みもなかった。

かわりに「うまかった」とだけメモが残っていた。
 
帰って来たお父さんにもひとつあげた、夜寝る前にお母さんにもあげた。

 

しょうがないよね。
 
そう思うしかない。

それに今日が特別なわけじゃない、別にまた今度だってある。
 

私はこれからも学校に来るし、彼だってきっとそう。