16歳、前進

「え、オレにも?」

「はい。練習頑張ってって伝えて下さい。お願いします」
 

私の手から受け取ってくれたのを確認して、頭を下げる。

「ありがとう」その声に嬉しさと同時にちょっとだけ心が痛んだ。


「じゃあオレ、練習戻るから。大事に食べるよ」
 
大丈夫、そう自分に言い聞かせてる間に彼は笑顔でその場を去ってゆく。


しばらくその背中を見つめていたけれど、彼が部活の輪の中に戻りそうなのを見て私もグラウンドを後にした。