カオに言われた、通り魔事件は調べれば、調べるほど奇妙な事件だった。


まず、第一に襲われた相手は10代のみだということ。どうやって、判断しているのか、というくらい徹底されていた。

次に、襲われた人の中で、ある特定の人のみ、ミイラのようになって死亡していたのだ。

その、特定の人物とは、17歳で髪が長く、スラッとした体型の女性だった。

そう、カオのような……。


ゾクリ。

背中に氷を落とされたような冷気が走る。




―まさか…!!


嫌な予感がした。
まるで、あの時を模しているような……。

「……カオ…」

ねがわくば、もう傷付いて欲しくなかった。
しかし、それは叶わぬことなのかもしれない。