「…リヒト。」

名を呼ばれ、すぐに側へ駆けつける。
何をしていても、呼ばれれば、側へゆく。
下僕たる者の義務だ。

「はい。お側に。」

「リヒト…調べてくれ。今、起きている通り魔のこと。」

真剣な表情のカオに、予感がする。


…………嵐の予感が。

「畏まりました。」

礼をし、去り際、カオを見てみる。
ぴくりとも動かず、難しい表情のまま、窓の外を眺めていた。


―貴女は、私が必ず、守ります…今度こそ!