皆で、夕食を食べた後、ヒカルとショウは帰っていった。
ショウに言われたことが、頭の中でずっと響いているようで、せっかくのご飯も味が分からなかった。


部屋に戻り、ベッドの上に寝転がる。溜め息ばかりが出てくる。
何もやる気がしなくて、ぼんやりしていると、コンコンとノックする音が聞こえた。

ギクリとする。
今は、何となくリヒトさんと顔を合わせたくなかった。

「カオ？入ってもいいですか？」

「……」
寝たふりを決め込む。

「カオ？寝たのですか？」
ごめんなさい、リヒトさん。と思いながら、去っていってくれるのを、息を潜めて待つ。

しばらく、部屋の前でいたようだったが、諦めたように去っていった。

ホッとしたような、そうでないような…複雑な思いにかられながら、溜め息を落とす。

リヒトさんが、信じれないわけでは、ないのだけれど。