なんて、思いながら自室のベッドの上で、ジタバタしているとノックする音が聞こえた。

「カオ〜?何してんのー?」

ヒカルとショウみたいだ。今日は、2人も一緒に夕ごはんを食べようと、誘ったのだった。
リヒトさんのご飯、おいしいから。

「何でもないよ。もう、ご飯?」

あわてて答える。
まさか、リヒトさんが好きで、興奮してたなんて、言えない。

「…カオ。ちょっと話、いい?」

ショウの低くて、落ち着きのある声が言いにくそうに訊いてくる。

いいよ?と、答えると2人が部屋に入ってくる。
ヒカルは、困ったような笑顔だし、ショウは…どこか、怒ったような表情。
どうしたのだろうか、と不思議に思う。
疑問に、困惑しているとヒカルが「ごめんね」と言ってきた。

「余計なお世話だと、おもうんだけど…」

言いにくそうなヒカルに代わり、ショウがズバッと訊いてきた。

「カオは、リヒトが好きなんだね?」

「…………」

言い当てられて、びっくりする。
それと同時に、そんなに分かりやすいのかと、青ざめてしまう。
サッと青くなった私の顔色に、ヒカルが慌てて補足してくれた。

「大丈夫だよ?カオ。気が付いたのは多分、僕たちだけだから。」

それを聞いて、ホッとしたのと同時に不思議にも思う。
どうして、分かったのだろう。と…

「何で分かったの?」

「…前と同じだから…。カオの表情が。」

ショウが不本意だと言うように、呟く。

「カオ。以前も、そんなキラキラした目で嬉しそうだったんだ…リヒトに会ったとき。」

ヒカルは、微笑まし気に言う。

「そっか。やっぱり前も、私リヒトさんが好きだったんだ…」

なんだか、嬉しくなりながら、頬が熱くなるのを感じる。

そんな私の様子に、ショウは面白くなさそうに詰め寄る。

「カオ…。俺は、出来たら好きになって欲しくなかった。」

「ショウ!!」

ヒカルの慌てたようなキツイ声にも、びっくりしたけど、ショウの言った内容には更に驚く。―や、驚くというより、ショックだった。

「きっと、カオは、また、傷付くから。」

ヒカルの制止を振り切って、ショウはそう言ったから…。