まさか、こんなところであの女に見つかることになるとは、不覚だった。

見つかった以上、何かを仕掛けてくるかもしれない。


もうしばらくは、カオと2人で、普通の生活がしたかったのだが。

「…そうも言ってられないな。」

自嘲気味に呟いて、苦く笑った。


腕の中には、眠っているカオがいる。

私が、眠らせた。
あわよくば、夢だと思ってもらえたら…。
なんて、むしのいい話だ。

もしかしたら、カオは思い出すかもしれない。

今日のことを切っ掛けにして。

できれば、思い出して欲しくない、と思っている自分に気がついて、『馬鹿か、私は』と、すぐに考えを打ち消す。



それでも。

腕の中のカオを見つめながら、終わるかもしれない至福に身を浸した。




カオの額に、軽くキスを落として。