「大丈夫ですか?」
倒れている男性に近づくと、錆びた鉄のような匂いがした。

何?この匂い…。

よく見ると、男性の首筋あたりから、赤いものが流れていた。もしかして、それは…………。


   血……!


そう認識した瞬間、私は気を失った。

落ちていく視界の中で、リヒトさんがこちらに向かって、手をかざしてるように見えた。