母が実家に着いたときには、既に伯父は帰ってきていた。

 母が着くと、明日からの予定などを相談し、伯母は、家に荷物を取りに帰った。

 伯母が戻ってきたのは、午前1時を過ぎていた。
 
 伯母が家に戻っている間、伯父と2人っきりだった母は、
 
 亡くなった伯父の顔を見て、

 現実感が全然無くて、上の空で2人での時間を過ごしていた。

 それでも、最低限やらなければならない、自分の家に電話をすることだけはやった。


 電話がきたのは、午後11時半を少しまわったところだった。


 「明日、4時に家を出て斎場に行くから、それまでに祖母の家に来てほしい。

  もし間に合わなかったら、直接斎場に行って。

  お通夜は、6時からだから。

  飛行機の時間がわかったら連絡頂戴。」


 必要な事だけ言うと、母はすぐに電話を切った。


 私は、明日やらなければならないことを、頭の中で順番をつけ、眠りについた。

 しかし、何も考えずに寝ようと思っても、明日の事や実感の湧かない伯父の死について気付くと考えていて、

 その日ほとんど眠ることが出来なかった。

 そのせいか、朝の目覚めは悪く、身体もだるく、朝早く目が覚めた。