さしずめ、ここは黄泉の国だろうか。 ゆっくりと起き上がりながら周りを見渡す。 (あの後、涼はどうなったんだろう…) ふとよぎった疑問と不安 そんな翔の心に反応するかの様に光り始めた。 白い世界の一角に空いた丸い穴 足をふらつかせながら其処に辿り着くと、その穴を覗き込んだ。 穴の中に広がっていたのは、見覚えのある家並み 彼の生まれ育ったあの村だった