チャイムが鳴った。 「エマ、これ本鈴だよ?」 急いで動こうとしないあたしに、華が言った。 いつの間に予鈴が鳴ったんだろうと思いながら、自分の席に着く。 ふいに見ると、隣の席が空いていた。 琉唯の席だ。 あれっ。さぼり? まさか……。 なんて思いながら、あたしの恋は終わりを告げるはずだった。 だけど…… だけど、その日は、琉唯が隣の席に戻ってくることはなかった。