「…あたし、日本人なんだけど」
「へ?
あ…ハーフってこと?」
まだあまり理解できてない様子で、あたしを見つめる。
……その子が、琉唯だった。
「ハーフでもないです」
「えーっ!だって、顔…」
…なんか失礼な人。
「俺、英語喋れへんのに、どないしようかと思ったわ!良かった!」
そう言って笑う琉唯から、視線をそらした。
「あたしは、あなたが関西弁を喋る顔には見えなかったな。
普通の顔だし。」
呟くと、琉唯は笑うのを止めて、またあたしのほうを向いた。
「え…?何なん。俺、喧嘩売られてんのん?」
「先に売ってきたのは、一体どっちよ?」
「…は?俺はただ、ハーフに見えるって言っただけで」
「それがむかつく言い方だって言ってるの」
「じゃあ、何て言うねん?」
…――ー


