「つーか、橘輝も何しとんねん?」 「輝先輩には…何も言ってないから…。」 琉唯は一瞬、戸惑った様子であたしを見た。 「なんで……黙ってるん?」 「…輝先輩には、迷惑かけたくないよ。」 あたしの声が、廊下に小さく響いた。 「そんなに好きなんや…あいつのこと。」 「……うん。好き」 「そっか…。」 気のせいか、琉唯はなんだか力なく笑った。