キミの願いを


――「なに、書いてるの?」


「おねがいごとだよ。これにお願いしたら、かみさまが叶えてくれるの。」


「ふーん。ぼくにも見せて」



あたしは、自分の書いた絵馬をその同い年ぐらいの男の子に渡した。



『大きくなったら、かわいいおよめさんになりたい。なかたエマ』




「かわいい…およめさん?」


「うん!いつかあの白いドレスを、あたしも着るんだー!」


「いいね。」

「そうでしょ!?」

「きっと叶うよ」


「ありがとう!」


「貸して。」


その子は、おもむろにペンを掴むと、あたしの絵馬に何か書き始めた―――。