「………行っちゃった」
あたしが言葉を発したのとほぼ同時に、琉唯が華たちと同じ方向へ歩き出した。
「えっ、帰らないの?」
「…俺は、別にお前のこと嫌いなわけじゃないしな」
琉唯…………
なんだか嬉しくなって、あたしも琉唯の隣まで追いつくと、並んで歩いた。
「琉唯の私服、初めて見たっ」
「そうやったっけ?」
「琉唯のくせに、かっこいいね」
「あほか」
「なんでー?ほめてるのに!
琉唯のばかー」
「はあ?
…ほんま、俺もあほやわ。」
「エマ!琉唯ーっ。こっちこっち!」
見ると、華が手招きしている。
「…え?
琉唯。今、何か言った?」
「別にー」
何か気になる…。


