キミの願いを


「……別に、嫌いとかそういうわけじゃ…」


「じゃ、なんで怒ってたの…?」


「だから、それは…」



「あたしら先に行っとくから、2人ともちゃんと来てよねー?」

華が、あたしと琉唯を交互に見る。


「なんで俺も行かなあかんねん?」


「ふ~ん。じゃあ、やっぱ琉唯はエマのことが嫌いなんだ?」


えっ…



横にいる琉唯をちらりと見ると、琉唯もあたしを見ていた。


「や、そうじゃなくてっ」



なんだかはっきりしない琉唯の態度に、華はにやっと笑顔になった。


「じゃあ、そういうことだから。先行くね」



そう言うと、華が赤川くんの腕に自分の腕を回して、そのまま神社の敷地内へ入っていった。