ーー「ありがとうございましたー!」 司会者である八美都祭委員の人の声が、体育館内に響く。 次は、あたしたちの出番。 「なんか、緊張してきた…」 ステージ袖で琉唯と、司会者の合図を待つ。 「ただ、出るだけやろ。」 気のせいか、琉唯の眉間にシワが寄ってるように見える。 暗いから、よく見えないけど。 「では、次のカップルさん、どうぞー!」 琉唯に腕を引かれ、あたし達はステージの真ん中へと向かった。