「ほら、はよ、着替えや」
空き教室の前まで来ると、琉唯はドアを開いて、あたしに中へ入るよう、促す。
「え、着替えるって……?」
「だから、あの服に着替えるんやろ?」
琉唯が部屋の中を指さした。
その先には、さっきから置きっぱなしだったイヌ耳カチューシャとメイド服たち。
えーっ!!
「な、なんで!?」
あたしは、目を大きくした。
「お前が着たそうにしてるからやろっ」
「はっ!?いつ?」
「さっきまで怒ってたやんけ!」
琉唯が若干、呆れ顔になる。
いやいやいや!
それは、別にメイド服が着たいからとかじゃなくて……!


