『エマも琉唯と出れば?』
華の言葉をもう1度、思い出す。
琉唯に、なんで黙ってるねんと、今にも言い出しそうな視線を送られる。
「…えっと…
……琉唯…?」
「なに?」
「や、だからそうじゃなくて、琉唯と一緒に参加しようかなぁ…なんて…。」
「……は?」
本日2度目の、理解不能の意味を交えた琉唯の『は?』。
「だって、なんか楽しそうだし…誘える人、琉唯しかいないしさぁ…。」
なんで、こんなこと言ってるんだろ。
「お前、あほか。」
はいはい。
どうせ、そういうこと言われると思ったよ…。
「わかった。じゃあいいよ、別に」
つぶやくあたし。
琉唯と一緒に参加するなんて、華が言い始めただけで、あたしは考えてもなかったし。
それに、誘っても琉唯が『うん』って答えるはずないもんね。
「それより、お腹空いちゃった。お昼、何も食べてないし…何か一緒に食べよーよ?」
「えっ、ちょっ」
半ば強引に琉唯の手を引いて、その教室を出た。


